
こんにちは、一般社団法人ひとtoペットの武田です。
8月30日(水)から9月5日(火)は防災週間。
2023年5月に5回、ぐるっとママ高知にて寄稿致しました。その内容を追記改変し、8月31日から9月5日まで、毎日更新いたします。(間に9月の壁紙カレンダー公開ありました)
どんな方にお勧めか、ペット防災とはについては、各リンク先ご確認くださいませ。
全体もくじ
- 1stステージ:想像することの大切さ
- 2ndステージ:対策を練ろう
- 3rdステージ:空振ってもいい!実際やってみる
- 4thステージ:ペット防災に役立つ情報ページやアプリまとめ
- 5thステージ:ペット防災小話からイメージふくらませてみよう(9月5日(火)公開)
「防災」で大事なこと2つ
「防災」と聞くとたいそうなことに聞こえますが、大事なことは大きく2つ。
- まずは自分が生き残る
- 災害時どうするかを前もって考え、実際にやっていく
今回は最終回。今までお伝えしたことを、ペット防災小話として自分ごとにイメージしていただくお手伝いをします。あなただったら、どうしますか。
5thステージ:ペット防災小話からイメージふくらませてみよう
小話のはじめ
「天の川って一年中見られるんだ」
七夕について検索した。知らないことっていっぱいだ。おもしろいなあ。
「あ」
スマートフォンが「ぴよんぴよん」と音を鳴らす。
音にぎょっとした。表示は「緊急地震速報」。

ひくくなり、あたまをまもり、うごかない。
「れーずん!ぐみ!」
ちいさなもこもこが飛び込んできた。ぐみは来ない。

揺れが収まるまで待つ。
後ろの方で大きな音、なにか倒れたり落ちる音がする。
★☆★
揺れがおさまったように思う。れーずんが僕のほっぺを舐める。あ、生きている。
机から這い出た。
「ぐみ…?」
ぐみはリビングのクレート(大きなキャリーケース)の中で、おっきな体をぎゅっと小さくしてた。
そっとなでてから首輪にリードをつける。割れているガラスに気を付けて部屋を歩く。
外につながるドアを開ける。また「ぴよんぴよん」。みんなで机の下に潜る。
★☆★
玄関に向かう。置いてある避難バック背負い、れーずんはキャリーバッグに入れてぐみには歩いてもらう。

「月って明るいんだなあ。」
なんて言ってたら、近くの公園に着いた。公園内の施設で受付をする。
「ペットを連れてこの施設には入れないの。外につないでもらえるかな」と、受付の方が言う。
「すごくおとなしい子たちです。鳴いたりもしません。しつけもしてます」
受付の方が、上の方に連絡を取ってくれた。避難者がどんどん来る。忙しいのにごめんなさい。ありがとう。
「ごめんね、空いてる部屋はあるけどこれから使う必要が出てくるかもしれない。あとアレルギーがある人が来るかもしれない。室内には置けないとのことです。とてもイイ子たちなのに、ごめんね」
「わかりました。ありがとうございます」
さて、どうしようか。夜はいいけれど、昼間は暑いし湿度も高い。
れーずんにぐみがいてくれてよかったなあ。今日は2匹と一緒に外で寝ようかな。
明日のことは、明るくなったらまた考えよう。
いただいた毛布にくるまる。2匹は僕に引っ付いている。天の川がよく見える。

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さて、ここまで。
ペット防災小話、いかがだったでしょうか。これだけの話でも、いろんなことが見えてきます。
- 僕が被災した時期。そこから想像される気温と湿度。
- 僕がどれくらい日常から防災の準備をしていたのか。
- 僕は地域の防災訓練に参加していたのか。
- 災害対策基本法における「地域防災計画」を読んでいたか。
うーむ。
正解はありませんが、今の小話からちょっと考えてみます。
文字がだいぶ多いですがイメージ膨らませてもらえると幸いです。
小話【副音声付きバージョン】
「天の川って一年中見られるんだ」
七夕について検索した。知らないことっていっぱいだ。おもしろいなあ。
「あ」

スマートフォンが「ぴよんぴよん」と音を鳴らす。
音にぎょっとした。表示は「緊急地震速報」。
- ひくくなり
- あたまをまもり
- うごかない
「れーずん!ぐみ!」
ちいさなもこもこが飛び込んできた。ぐみは来ない。

👉名前を呼ぶと来るように練習していたことが伝わりますね。
揺れが収まるまで待つ。
後ろの方で大きな音、なにか倒れたり落ちる音がする。
👉日ごろから家具が倒れないように天井や壁と固定できます。小さな家具や本、置物などは、差し込んだり、ズレ防止グッズがあったりします。
☆★☆
揺れがおさまったように思う。れーずんが僕のほっぺを舐める。あ、生きている。
机から這い出た。
「ぐみ…?」
ぐみはリビングのクレート(大きなキャリーケース)の中で、おっきな体をぎゅっと小さくしてた。
👉部屋にいつもキャリーケースを置いておくと、ペットたちにとっても日常になります。好きな場所にすることもできます。これは日ごろからできることの1つです。
そっとなでてから首輪にリードをつける。割れているガラスに気を付けて部屋を歩く。
外につながるドアを開ける。また「ぴよんぴよん」。みんなで机の下に潜る。
👉ガラスに対して「飛散防止フィルム」を貼っておくことは事前にできたかもしれません。日常からスリッパを使って生活すると、割れたものがあるとき足裏のケガをすこしは防げます。こういうときはケガをすることは可能な限り避けたいです。
👉出口の確保大事です。今回はイヌ2匹が側にいてつないでいるのでドアを空けましたが、見つからないペットがいる場合は外に出てしまう可能性あります。何を優先するのか、ここは状況次第かと思います。
☆★☆
玄関に向かう。置いてある避難バック背負い、れーずんはキャリーバッグに入れ、れーずんは抱えて、ぐみには歩いてもらう。

👉玄関に避難バッグを用意していたようですね。れーずんは小さめの犬のようです。ぐみには歩いてもらうようですが、足元がどうなっているかわからないため、可能なら普段から靴を履く訓練をしているとよいかもしれません。老犬になったときに靴が履けると歩く時にサポートしてくれます。
「月って明るいんだなあ。」
なんて言ってたら、近くの公園に着いた。公園内の施設で受付をする。
「ペットを連れてこの施設には入れないの。外につないでもらえるかな」と、受付の方が言う。
「すごくおとなしい子たちです。鳴いたりもしません。しつけもしてます」
受付の方が、上の方に連絡を取ってくれた。避難者がどんどん来る。忙しいのにごめんなさい。ありがとう。
「ごめんね、空いてる部屋はあるけどこれから使う必要が出てくるかもしれない。あとアレルギーがある人が来るかもしれない。室内には置けないとのことです。とてもイイ子たちなのに、ごめんね」
「わかりました。ありがとうございます」
👉ここは著者が避難所訓練の受付でやりとりした内容に近いです。災害対策基本法における「地域防災計画」を、この避難所のリーダーが知っておられるかは不明ですが、基本的にペットについては何も書かれていないか「外での飼育」と書かれていることが多いです。
ペットと避難所に一緒にいるテレビを見た!という方は、その地域でふだんどういう試みや、活動をされているのかによるかもしれません。訓練に日頃から参加して、今回の場合だとれーずんとぐみを知ってもらう機会はあったかもしれないし、ペットが来ることを想定して提案ができたかもしれない。
自分たちが安全である場所を確保するために、日常からこつこつと自ら動くことも大事なことなのです。
さて、どうしようか。夜はいいけれど、昼間は暑いし蒸し暑い。
れーずんにぐみがいてくれてよかったなあ。今日は2匹と一緒に外で寝ようかな。明日のことは、明るくなったらまた考えよ。
いただいた毛布にくるまる。2匹は僕に引っ付いている。天の川がよく見える。
👉東日本大震災の計画停電時に、東京に私はいました。夜に周辺の電気が全部消えた時「月ってこんなに明るいんだ」と知ったんですね。また、新月の夜の高知県の四万十川の側を星明りだけですいすい歩け、とても驚きました。

正解はありませんが、今の小話からちょっと考えてみました。
このように、その地域やおうちの立地や家族構成、ふだんからの意識によって、状況が変わってくる。そういうことを、ちょっとでもお伝えできていたらいいなって思います。
まだ足りないよ〜一緒に考えたいよ〜という方へ
一般社団法人ひとtoペットでは、防災手帳セミナーを不定期に行っています。また、防災支援ナースが独自に開催しているイベントもございます。当法人のおしらせに随時載せていきます。

さいごに
5回にわたり、ペット防災を考えてきました。このような準備を前もってできるのは、共に暮らすあなたとご家族だけ。防災を特別にせず、日々に「まぜる」ことしていただけましたら嬉しいです。
著者自身がひらいている「ちぃむごーぷ」の活動。

その辺にある草を食べるワークショップを提案したり、鶏をさばきにいったり、火起こしを体験したり、「アウトドアと日常と防災を分けずにシームレスに考える」ことをはじめた場所です。
まだまだ発展途上の場所ですが、あなたがペット防災を考えるためのスパイスになるかもしれません。
9月30日(土)は「紙漉き+木のスプーン作りワークショップ」を行います。

以上、「ペット防災」ってなんだろうかー5thステージ:ペット防災小話からイメージふくらませてみようーでした。
いつかお目にかかりましょう!

またお目にかかりましょう。